若手の会 第一回 勉強会 ~立命館大学くさつ・びわこキャンパスにて~


くさつ・びわこキャンパス

勉強会会場
2011年8月27日に立命館大学びわこ・くさつキャンパスにおいて、立命館大学糖鎖工学研究センターとの共催のもと、「糖鎖インフォマティクス若手の会 第一回勉強会」が開催されました。

今回参加して頂けたメンバーの方からの報告を掲載させて頂きます。(※順不同、敬称略)

2011年8月27日、立命館大学びわこ・くさつキャンパスにて糖鎖インフォマティクス若手の会第一回勉強会が開催されました。勉強会では午前10時から午後14時まで口頭発表、午後14時から15時までポスター発表が行われました。参加者は20名ほどでした。
 今回の勉強会では糖鎖インフォマティクスにおける実験系研究者と計算機系研究者の溝を埋めることも主目的の一つとなっています。
 私は計算機系の学生からの視点で「糖鎖-タンパク質認識に関する新規類似性尺度の構築」というタイトルで口頭発表とポスター発表をしました。これはそれまで糖鎖の類似度比較に、単糖を頂点、結合様式を辺とした、木構造グラフを用いていたものに、単糖の立体構造の類似度情報を重みとして付与することで、特定疾患の糖鎖構造の識別能力を向上させるものです。発表では、他の単糖類似度指標の提案や、具体的なモチーフの識別の調査方法の質問などをいただきました。
 糖鎖はDNAからの遺伝情報が直接構造や性質に結びつかないため、糖鎖自体の生物学的な情報をいかに取り入れ、機能解明に繋げていくかが、非常に重要であることを感じています。今回の勉強会では実験系研究者の研究や今後の糖鎖インフォマティクスの動向と指針について伺うことが出来、大変有意義な時間でした。また、学生の参加率も高く、忌憚のない意見交換が出来たことも大きな収穫でした。
東京大学大学院・新領域・情報生命 修士2年 伊藤真和吏

8月27日に滋賀県の立命館大学において行われた糖鎖インフォマティクス若手の会の「第1回若手の会勉強会」に参加させていただきました。若手の会の活動に参加するのは「若手の会発足式」に続いて2回目です。
糖鎖が関わる生命現象を数理モデルにより研究したいと考えている私にとって、実験系やインフォマティクス系の最先端の研究者が集まるこの若手の会に参加することはなによりも重要です。糖鎖研究のように研究者人口が少なく未開拓な部分が多い分野では、研究者同士が集まって意見交換したりアイデアを出し合ったりすることが必要でしょう。
私は自身の研究が進んでいなくて新しいアイデアなどを出せず、勉強をさせていただくだけでしたが、実際にこの会では最先端の研究成果や今後の方針について活発な議論がなされました。理化学研究所の是金宏昭先生は糖転移酵素の活性を制御する新しい因子についての最新の研究成果とその実験の詳細を話されました。私にとってこのお話は大変勉強になりました。糖鎖合成経路の数理モデルを組み立てる際には、実際の糖転移酵素やその制御因子などの要素をモデルに組み入れる必要があり、新しい制御因子の発見はそのまま新たな数理モデルの構築へつながるからです。
ポスターセッションでは主に学生の方が発表されました。私はカーネル法を用いた糖鎖の相同性解析の研究に興味をもち、全く専門外でしたがカーネル法の仕組みから丁寧に説明していただけました。いずれのセッションでも、分からない所や意見があればいつでもディスカッションに参加できる雰囲気でした。最後のディスカッションでは糖鎖のデータベースについて、実験系とインフォマティクス系の研究者の双方の立場から意見が出され、データベースの整備と拡充の難しさというこの分野に横たわる問題点について認識することができました。
このように若手の会では異なる分野の研究者が糖鎖という一つのテーマに向かって活発な議論を行っている場所です。若手の会の活動を通して、私は自身のテーマが糖鎖研究に対してどのように貢献できるかを探っていきたいと思います。そして、より多くの研究者がこの会に参加されることを期待しています。
東京大学大学院 情報理工学系研究科 数理情報学専攻 合原研究室 博士2年 板垣智之


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