糖鎖の世界へようこそ!

 さて、皆さんは糖鎖ということばを聞いたことがありますか? 近年、DNA(核酸)、タンパク質に次ぐ第三の鎖上生命分子として注目されてきているのがこの糖鎖分子です。 ヒトの体は、およそ60兆個の細胞からできているのは有名な話です。実は、この60兆個の細胞表面は糖鎖分子によって覆われているのです。 しかし、糖鎖分子はDNAやタンパク質よりも複雑であり、わからないことがたくさんあったため無視されてきました。 ポストゲノムと謳われている現在、糖鎖の解明こそが重要な課題の一つなのです。 核酸やタンパク質は全ての生物種に共通する部分が多い一方、糖鎖は、生物種による差異があるだけでなく、同一種においても器官、組織、細胞種等によって異なります。 また、血液型の違いを決定したり、細胞間の認識や相互作用に関わる働きをもったり役割は多岐にわたります。また、インフルエンザウイルスの感染など様々な病気との関わりが知られ、病気の予防・治療の研究にも糖鎖は必要不可欠な存在なのです。この教材を使って少しでも糖鎖の理解を深める助けになることを願っています。

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