a)リソソーム病[3]
糖鎖の代謝については、教科書的な知識では、複合糖質全般で主にリソソームと呼ばれる細胞内小器官において行われていることはよく知られています。
糖鎖の分解に関わる酵素に変異がおこって正常な働きができなくなると、いわゆる"リソソーム病"という病気を引き起こします。
リソソーム病とは、複合糖質がリソソーム内、あるいは尿中に大量に蓄積される病気です(TABLE2.2)。
これらの病気は一般的に非常に治療が困難とされてきましたが、最近では酵素補充療法といった身体の外から酵素を補充する治療法をはじめ、
一部の疾患では有効と考えられる治療法も開発されており、大きな期待を集めています。
TABLE2.2 複合糖質分解酵素自身の障害に関したリソソーム病の例 (糖鎖を知る[3]参照)