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a) Glycan drug discovery
 糖鎖は、核酸、タンパク質に次ぐ第三の鎖と言われ、近年急速にその機能が解明されようとしています。 例えば、糖鎖は、タンパク質や脂質に結合し、細胞分化、老化、免疫応答といった生命現象や、癌、ウイルス感染、炎症などの疾患に 深く関与していることなどが分かってきています。そして、分子レベルどの糖鎖機能の解明、さらには糖鎖を利用した創薬への応用が期待されています。 しかし、糖鎖は非常に多様性に富んだ構造を有する上に、生体内では微量成分であることから、純粋な構造の糖鎖の入手は、 研究レベルにおいても困難を極めています。 1個の細胞の表面にある糖鎖分子というのは非常に多種類あり、色々な役割を担った糖鎖分子が分業して存在しています。 1個の種類の糖鎖分子は少ないものは1個の細胞の表面に1000個~1万個しかないものもあります。 重要な役を担っているものほどその傾向が強いのですが、化学構造を研究しようとすると、 大量に集めないと現在の測定器ではどのようなものなのか決定できないのです。 この場合は完全な化学の作業なので、モル比で計算することになりますが、 1つ化学構造を決めるために数十キログラム~数トンぐらいの同じ細胞を集める必要があります。 もしこれを行えば、細胞の培養だけで数億円~数十億円の費用がかかります。また、集める量が多すぎて大きな工場を造っても間に合いません。 実際、糖鎖に関してはあまりにも基礎研究が足りていません。 糖鎖を使って副作用もなく簡単に治る癌特効薬ができるとも騒がれていますが、まだまだ未来の話になるでしょう。

























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