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a)糖鎖って何?[1]
 糖鎖と言われると難しく考えてしまいがちですが、実は皆さんのよく知っている血液型も糖鎖によって決まっているんです!。
 ヒトの血液型は、赤血球表面の末端のわずかな違いによって分類されます。基本型はO型で、A型、B型はそれぞれ別の糖が付加されており、 AB型はA型、B型の両方の糖が付加されています。詳しくはc)を見てみましょう!






b)Ii式血液型[2]
 ABO式血液型抗原の前駆体としてI血液型抗原があります。初めは皆i血液型抗原のみしか持っていませんが、 ポリラクトサミンが糖転移酵素依存的な分岐修飾を受けることによって、I血液型抗原が作られます。 その枝分かれ修飾とは、β1-6GlcNAc転移酵素の働きによって、 内部ガラクトース残基にβ1-6結合でN-アセチルグルコサミンが付加されることを言っています。

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FIGURE1.1 ABO式血液型抗原になるまで (糖鎖生物学[1]参照)



c)A,B,H式血液型構造[2]
 ABO(H)式血液型抗原は1型、2型、3型、4型糖鎖前駆体がもととなったオリゴ糖鎖です。H抗原はその非修飾型であり、O血液型群となります。 ABO式血液型抗原の生合成過程は、前駆体グリカンがα1-2フコース転移酵素群によって修飾を受けることから始まります。 これらの酵素は、Fucα1-2Galの二糖単位によって代表される血液型グループのH抗原を形成します。 ヒトのゲノムはH血液型遺伝子座およびSecretor(Se)血液型遺伝子座の産物に相当する二つの異なるα1-2フコース転移酵素をコードしています。 H由来α1-2フコース転移酵素は前赤血球に発現しており、2型や4型糖鎖前駆体を用いて、2型や4型糖鎖のH抗原を赤血球上に作り出します。 Se由来α1-2フコース転移酵素は上皮細胞に発現しており、1型や3型糖鎖のH抗原を、上皮系の、たとえば胃腸、気管支、生殖管、唾液腺の管腔に提示します。   

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FIGURE1.2 ABH抗原の構造