特徴的なパターンを見つけ出せ!GlycanMiner

1章でもあるように細胞表面に存在する糖鎖は核酸(DNA)やタンパク質に続く第3の鎖状生命分子とされています。しかし、他の2つと異なる点は分岐構造をとっているというところで、それが複雑にさせ、構造や機能の解析を行うことを困難にさせています。また、糖鎖はDNAやタンパク質と違い、種間だけでなく器官や組織、細胞間であっても差異があります。そのため糖鎖の細胞における構造の特異性を見つけることは、糖鎖の機能を研究する上で重要な課題であると考えられているのです。そこで、本研究室ではGlycanMinerというツールが開発されました。本ツールでは糖鎖構造情報から頻繁に出現する糖鎖の部分構造(frequent subtree)を抽出することができます。マイニング(mining)とは採鉱という意味であり、大量のデータから特徴的なパターンを見つけ出すということで、この名前がつけられました。糖鎖の場合、frequent subtree miningを行うと、糖鎖構造情報から頻繁に出現する部分構造を抽出することができます。これを利用することによって、例えば、疾患に関連する糖鎖構造情報中に、頻繁に出現する糖鎖の部分構造があった場合、それをバイオマーカーの候補として抽出することができると考えることができます。

皆さん、糖鎖アレイをご存知ですか?(ご存知ない方はコチラ➡️

糖鎖アレイを行うと、コントロールとターゲットのそれぞれにおいて強く結合する糖鎖構造群がピックアップされます。
GlycanMinerを利用すれば、この糖鎖が大量であっても、この中から「α-closed frequent subtree」と呼ばれる頻繁に出現する糖鎖の部分構造を抽出することができます。また、糖鎖の質量分析などによって得られたたくさんの糖鎖構造情報を解析し、特異的に現れる糖鎖の部分構造の分析にも利用することができます。
それでは実際にGlycanMinerを使ってみましょう!

 

 

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